車のスマートキーをトイレの中に落とし自動洗浄して20000円
ポケットのお尻に車のキーを入れていた。日頃からポケット右後ろはスマホや自転車のカギなど、入れる癖がある。その日は実家に車で行ってポケットに鍵を入れていた。そしてそのままトイレへ。すっきりして立ち上がった時、カチャン、と音がした。台所の流しにスプーンを落として高圧洗浄のパックで35000円
振り返れば、この時なぜ、行動しなかったのか。私はぼんやりしていたのだ。カギを落としたのだ、トイレの周りを眺めている場合ではない、便器の中だ。アラウーノは泡に満たされているから、外からはわからない、だが、間違いない、便器の中に鍵は落ちたのだ、そしてアラウーノは自動洗浄だから勝手に流れるしくみだ、立ち上がって数秒後に流してくれる、今わたしが落とした鍵も一緒に。
すぐさま手をつっこんだら、拾えていた。なに、後から手を洗えばいい。カギを失うことを思えばどおってことはない。躊躇せず、すぐ便器の中に手をつっこんだらよかったのだ。
それからはあっという間だった。水道局に電話したら、流れてるのならましですよ、詰まってるのが一番やっかいですから、と言われた。つまるような大きさではない。小さなキーホルダがつけてあったが、鍵よりは小さい。未練がましく何度か便器に手を入れたが、残ってるわけはなかった。今さら手をつっこんだって意味ないのだ。キーホルダは息子がくれた私の誕生石のついたものだった。トヨタに電話して、スマートキーを作ってもらう手順となった。お値段20000円。
あれから何度もトイレのたびに、時間を考える。どう考えても、ゆっくり手を入れる時間がある。立ち上がってすぐには流れない。落ちたことを確認して、手をいれる時間はあったのに、咄嗟のことで勇気がなかったのか、ぼんやりしていた。20000円が流れていく、と思ったらぼんやりはしないのに。


