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米津玄師にリマインドされて「山椒魚」井伏鱒二の読書感想文

“Sanshouo (Salamander)” by Masuji Ibuse ♬岩屋の陰に潜み、あなたの痛みも知らず、嵐に怯む俺は、のろまな山椒魚だ♬と、歌うので読み返してみました。Kensi Yonezu sings. He reminds me of this novel.

『太宰治の猿ヶ島とスピッツのエスカルゴ』はこちら→https://alajaponais.com/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%84%9f%e6%83%b3%e6%96%87%e3%80%81%e5%a4%aa%e5%ae%b0%e6%b2%bb%e3%81%ae%e7%8c%bf%e3%83%b6%e5%b3%b6%e3%81%a8%e3%82%b9%e3%83%94%e3%83%83%e3%83%84%e3%81%ae%e3%82%a8%e3%82%b9%e3%82%ab

短い短いお話。読み終わるのに5分もかからない。kindleなら無料お試しのうちに終わる。内容はこうだ。Very short story. You can read it in 5 minutes.

Salamander, he is sad. He didn’t realize that he grew too big to get out of his home. He has to spend the rest of his life there.「山椒魚は悲しんだ」で物語は唐突に始まる。山椒魚って、あのオオサンショウウオのこと?図鑑好きの子供なら知っている、運が良ければ川で見つけることもできる。その山椒魚が岩屋の隅をねぐらにしていたが、ふと気付くと自分の体が大きくなりすぎて、そこから出られなくなっていることに気付く。

サンショウウオhttps://ja.wikipedia.org/wiki/サンショウウオ

「何たる失策であることか!」

そんなことある?ま、人間でも世界仰天ニュース的な番組で、太り過ぎて部屋から出られなくなりました、、っての見たことあるけど。普通気付くよね、あとちょっと太ったらココ通れへんやん、やばっ、てね。だいたい巣穴って毎日出入りするもんじゃないの?たった一日でそこまで大きくなるわけでもなし。それとも何らかの地殻変動で閉じ込められた、ということだろうか。とにかく山椒魚は気づいた時には遅すぎた。そこからの彼の行動は哀しい。俺にも相当の考えがあるんだ、などと息まくが、あるわけはない。穴から覗く光景は気持ちよく泳ぐメダカ達。群れを作り決して仲間と動きを乱さない彼らを見て、「何という不自由千万な奴らであろう!」と言い放つ。どっちが?!とツッコミたくなるが彼の境遇を思うと泣ける。彼には死ぬまでその穴蔵を出られないという運命しかないのだ。神様!と涙する姿には同情する。たった二年、うっかりしていたことで一生を台無しにする、と叫ぶ山椒魚。二年?二年もそこにじっとしてたん?それ、引きこもりって言うね、普通なら。

He has a bad idea. He confined one frog. Poor frog cannot get out of it either. They make a fuss. They are fighting for two years. One day, the newt asks the frog to come his side. But he can no longer move. He is dying. The frog said that he was not angry anymore. しかし、そんな可哀想な彼に邪悪な心が潜んでいた。岩屋に迷いこんできた一匹のカエルを閉じ込めるのだ。カエルの体の大きさなら自由に出入り出来るのに、意地悪して山椒魚は出口を塞ぐのだ。これで自分だけではない、不幸な奴がもう一匹。カエルもカエル、挑発に乗って二匹は互いに口論をする。お前が莫迦(バカ)だ、いや、お前が莫迦だ、とどちらも引かないままさらに二年が経つ。疲れ果てた二匹は、もはや口論はしない。カエルは空腹でもう動けない、駄目のようだ、と言う。山椒魚は相手に今、何を考えているか、と尋ねる。「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ。」蛙のセリフで物語は終わる。

When we were young, we made a lot of mistakes. Memento mori. We will die sooner or later. 読み返す時に、確か、山椒魚が閉じ込められて、ただ、それだけの話だったよなぁ、、と思い返したが、やっぱり本当にそれだけだった。でもそれだけであることがかえって強烈に印象に残る、ということに気が付いた。穴を開けに行ってやりたい気持ちになる。取り返しがつかなくなる前に、助けてやりたい、とも。でもそういうことじゃないんでしょうね。見通しがきかなくて自分で自分の首を絞める結果になったこと。自暴自棄の気持ちからか、誰かも同じ目に合わせたい、という鬼になる。月日が流れ、互いの死を目前にし、もはや若気の至りを後悔しているかのように、相手を許す。教訓、

人生は短い。喧嘩してる場合ちゃう。

Life is too short to argue.

Kensi Yonezu has another message, I think. 米津玄師が"海と山椒魚"に込めたメッセージはまたちょっと違うみたいだけど。

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